第2話

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地味で暗い印象しか持たれていないあたしが 実はちょっとだけ運動神経がいいことなんて誰も知らない。 愛車にさっとまたがって その場をさっと逃げ出した。 嘘。 逃げ出そうとした。 ちょっとだけ運動神経のいいあたしと ちょっとどころじゃなく運動神経のいいユウとでは 絶望的に差があった。 ガシッと腕を掴まれて あたしの力では抵抗できない。 初めてユウの身体に触れた。 触れられた。 「それってどういう?」 いやだ、こわい 恥ずかしい。 「俺のこと、好きってこと?」 いやだ、こわい。 恥ずかしい。こわい。 「ごめん、痛かったよな」 初めて触れたユウの腕が そっとあたしを離れる。 さよなら、もう二度と話さない。 「もう話さない」 え? 「もうアミとは話さない。君が嫌がるなら」
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