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我知らず、山崎の表情に苦笑が浮かぶ。我がことながら、なんと『屈折』していることか。
山崎が『求められたい』のは、『龍之進』ではなく、あの『宵』なのだ。
とは言え、従順に喘ぐ『龍之進』も、愛らしいと思うのだから、『重症』だ。
しかし。それは『宵』にも言えること。最愛の主『夜』がいながら、『山南』に心を許している。
ただ、決定的に『違う』のは、宵は山崎にだけ『心乱される』と言うこと。
けれど、その『事実』を誰も知らない。そう、『当人』である『宵と山崎』でさえも……………。
ーそれでも。『因果』は巡るー
壊れし『龍月』が、再び染まるは『真紅』か、『浅葱』か。それとも『闇』に飲まれるのか。
ー『因果』と言う名の、『縁(エニシ)』を結びし『歯 車』は、一体何処へ廻りゆくー
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