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もう。あまりにも『滑稽』過ぎて、笑うことさえ出来ない。山崎が、宵から離れなければならなかったのは、山崎が宵を『壊した』から………。
言うなれば、完全なる『自業自得』に他ならない。元より、山崎自身に『非』があるのだから。
ー例え、『恨まれる』ことになっても構わないー
そう思ったはずだったのに。『傍にいられない』ーただそれだけが、こんなに辛いなんて……………。
土方
「……………お前、まだ宵を『抱きてえ』とか、考えてやがんのか?」
平素と変わらぬ、冷たいとも感じる声音で問う土方に、山崎は答えなかった。いや、答えられなかったのだ。
ー抱きたくない筈がないー
あれだけ、連日連夜『抱いていた』のだ。正直、『欲求不満』であった。けれど、今の宵に『手出し』など出来ない。
どれほど、宵を『渇望』していても、傍にいることさえ出来ないのだ。
土方
「俺がもし、『宵が欲しい』と言ったら、お前はどうするつもりなんだ?」
山崎
「どうも出来ません。今の宵には、『俺』が認識出来てない。」
正確には『忘れている』のだ。『宵』となってからの『全て』を。
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