ー その瞳に映るもの ー

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ー数日後。新撰組屯所 廊下ー  あの日から。モヤモヤとした『想い』が晴れぬ山崎。そんなことを延々と考えていた彼は、近付く『気配』を悟れず、曲がり角で、誰かとぶつかってしまった。 ードンッ、バシャンッ ?? 「熱ッッ?!あ、ごめんなさい、大丈夫ですかッ?」  その声に、顔をあげると、『愛しい彼』が立っていた。熱いお茶を被ってしまったのか、髪から『ポタポタ』と雫を滴らせている。 山崎 「ッ大、丈夫………俺は、問題ない………。」 宵 「そっか、よかった。………え、と………初めて逢う人、だよね?俺は『鹿嶋 龍之進』、貴方は?」  屈託なく微笑んで、そう問い掛けてくる宵。宵が山崎に、こんな表情を向けたことはなかった。 山崎 「………監察方『山崎 烝』………」  胸がざわついたまま。それでも、平静を装いながら、抑揚のない声で答えた。  宵は『記憶が退行』してから、山崎に逢っていなかったので、宵にとっては『初対面』………であったはずだが……… 宵 「え、『山崎 烝』?俺、以前に貴方と『逢ったこと』、なかったっけ?」      ーまさか、そんなはずはないー
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