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山崎
「…これなら、貴方でも着られるでしょう。………どうしたんです?」
山崎は着物を手渡しながら、宵に問い掛けた。先程から、宵の様子は、何処と無く『変』だったから………。
宵
「………俺、この部屋に来たこと、ないよね?何か、『見覚え』ある気がする、んだけど………」
また、山崎の胸が震えた。宵の言動に『期待』してしまう。『記憶が退行』していても、山崎のことを『憶えている』のではないか、と。
それほどに、宵は山崎を『気に掛けてくれていた』のではないか、と………。
ーそんなことが、あるはずがないー
そう、わかっているのに、『期待』が捨てきれない。現に、宵は『既視感』を感じているようなのだ。
そして、山崎の指先が、不意に宵に触れたときだった。『ぴくんっ』と宵の肩が跳ねた。
宵
「んゃッ?………え、何………これ?力が抜ける。もう、立ってられ、ない………。」
宵は、その場にへたり込んでしまう。それに、一瞬『艶声』を上げた。
山崎の躰が、『ズキン』と疼き、熱くなってゆく。また、宵に対する『情欲』が奔流となって暴れ出す。
山崎
「イイ声。俺に抱かれたいんですか?」
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