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『ビクビクッ』と跳ねる宵は、『扇情的』で『官能的』で、山崎の躰は『愉悦』に包まれ、愛撫がより一層、熱く・甘く・激しいものへと変わってゆく。
けれど、決して荒々しいものではなく。宵を優しく、追い上げて行くものであったのだ。
宵
「っや、まざきさ………んんっ!や、ダメぇ、そこヤダッッ?!」
幾度も抱いている為、宵の躰は『知り尽くしている』。どこをどうすれば『イイ』のか、手に取るようにわかる。
宵
『………っや、だぁ!怖い、よ………山崎ッッ!』
『怖い』と言って泣く、『あの頃の宵』が思い出された。今の宵は『鹿嶋 龍之進』である故か、『山崎さん』と呼ぶ。
山崎
(………記憶があろうとなかろうと、『宵は宵』や。なのに………俺は『どっち』を望んどるんや?)
ー素直で従順に『好意』を表す『龍之進』ー
ー頑なに『拒み』つつ溺れてしまう『宵』ー
『宵』も『龍之進』も、同一人物だ。それは、わかっているのに。抱けば抱くほど、脳裏に思い描くのは『宵』の方だった。
自分に『好意』を寄せる『龍之進』でなく、『拒否』しながらも溺れてくれる『宵』を求めてしまう。
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