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桜は一連のやりとりをぼんやりと眺めていた。
(かわいそうに。振られたんか)
桜は高校生の頃の失恋を思い出し彼らに同情した。
桜の好きだった男子は、担任の英語教師と交際していた。
2匹は部屋の中央へ歩き、仕切りの側で横になった。
(ショックで立てへんよな。…なんか打ち砕かれるんやわ、めっちゃわかるわ~)
桜は、思わぬ伏兵に意中の異性を取られた経験を今の彼らに重ね合わせていた。
そんな妙に人間くさいアライグマたちに目を細めた。
そんな桜とは裏腹に、斎藤が明るい声を上げた。
「これで解決だね。彼らもそのうち元気になるだろう」
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