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斎藤と桜が園内を歩くと、様々な動物の鳴き声がした。
斎藤が見回りに来ると、いつも動物たちに活気が漲る。
桜一人ではこうはいかない。
「斎藤さんが来られると動物達が元気になりますね!」
「そうですか?…そうですね」
斎藤は苦笑混じりに呟いた。
「斎藤さん?」
桜の声には反応せず、斎藤はあちらこちらの檻を覗きながら進む。時には声をかけたり、頷いたりしている。
(動物にも斎藤さんの気持ちが伝わってるみたい)
メルヘンな妄想に耽っている桜を、斎藤の鋭い声が現実へと引き戻した。
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