一日目

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斎藤は厳しい目で猿の檻を見上げていた。 「後で大熊先生に日本猿の檻に行って貰って下さい。ユーキが腹痛です」 桜は急いでノートに書き留めた。 「斎藤さん、いつも思うんですけど、どこを見ると病気とかが分かるんですか?」 桜も何度かこの朝の巡回に同行しているが、一向にその兆しを見つけることが出来ないでいた。 「何も見てないですよ。彼らの声を聞いてるだけです」 斎藤は気負うこともなくそう答えた。 (盗めってことかな?) 桜は先を歩く背中を追いかけた。
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