お客さん②

113/171

6588人が本棚に入れています
本棚に追加
/196ページ
高谷さんは、私が出勤すると、毎日6時間で予約を入れて来る、最初は居酒屋とかバーへ行って、一杯呑んでからホテルが定番で、お酒が飲めない私には、一杯だけで良いから、お酒飲むのを付き合って欲しいと言われて、しょうがないので、チビチビとカシスオレンジを呑んで付き合っていた、次の日にまた予約が入った時は、話しをしながらカシスオレンジを半分程呑んで、3日目には、一杯を全部飲み切った。飲まなきゃやってらんねぇ! そんな心境だ。 毎日の生活に追われて、いつの間にか諦める事と妥協する事を覚えて、それでも、私が我慢して、他の人の負担が軽くなればそれで良かった。 でも毎日予約入れてくれるのは有り難いが、連続はさすがにキツい。 お酒の呑めない私でも、年に何度かは、「飲まなきゃやってらんねぇ!」ってなって、そんな時はケイちゃんのお店へ1人で行ってお酒を呑んだりする事もあった。 私が行くと何時もはアイスコーヒーなのに 「カシスオレンジ!」 「珍し!どうした?」 とビックリ顔のケイちゃん。 「私たって飲まなきゃやってらんねぇ時があるんたよ!」 「そっか、分かった。」 「何かあったの?」 「お客さんにストレス貯まってるだけ!」 「それは大変だな。」
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6588人が本棚に入れています
本棚に追加