お客さん②

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柏のお客さんの事が気になりつつも、何時もの生活は容赦無くやって来る。 また何時もの生活だ、松戸のお店へ出勤して、忙しい日々。 車の中で本を読みながら待機して、 仕事が入ると、そのまま車で駅まで行く。 車で来てる事は、お客さんには内緒だ、でないと、「送ってよ」なんて言って来るお客さんがいるからだ。 待ち合わせ場所の近くに車を停めて歩くのが何時ものパターンだ。 街灯の下を陣取って本を読む。 暇だと何時間も同じ体制になる。暇な時に「エコノミー症候群になるから帰る。」 と言った事もある。 久し振りに待機所に顔を出すと、またリョウさんに捕まってしまって、やっぱりアカネさんの事で「いつみちゃん帰って来てよ。それでキッパリ言ってやってよ!」 お願いだから、私を、変な派閥に引き釣り込むのは止めて。 曖昧に笑顔で流してその場から逃げる様に立ち去る。
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