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仕事は、何度か会ってるお客さんで、自宅への出張だ。
行き慣れた自宅の玄関のドアをノックすると、見慣れた顔が開かれたドアの間から見えた。
「やっぼ〜!」
「いらっしゃい。」
玄関で靴を脱いで慣れた部屋へと入って行くと
「今日はプレイは良いから」
「え!?何で!?」
「まぁ、良いから座って。」
そう言われて何時もの場所へ座ると、玄関のドアをノックする音が聞こえて。
「え!?」
と、慌てて驚く私に「ちょっと待ってて」
と言ってお客さんが玄関へと向かう。
玄関で何やらやり取りをして、部屋へ帰って来たお客さんの手には、Mサイズのピザがあった。
一緒に食べようと思って頼んでたんだ、
「良いの?」
丁度夕食を食べ損ねていた私にとっては、なんて素敵なサプライズ。
お客さんが箱を開け、ピザを1枚取って口へ運ぶ、結局お客さんは2片だけ食べて、
「後のこれノルマね。」
そう言って殆んど残ったピザを私の前に差し出す。
こんなに食べれ無いよ!と言う私の講義も虚しく、お客さんは聞く耳を持たず、
「はい、食べて。」
そう言って私にピザを押し付ける。
確かにお腹は空いていたが、Mサイズのピザを半分以上も食べれ無いよ!
でも、折角頼んでくれたんだから、となんとか頑張ってピザを頬張り始めた私を、楽しそうにお客さんが見詰める。
結局3片食べた所で私はギブアップの旗を揚げた。
「本当に食べないね。もっと食べないと体力付かないよ?」
「食べなくても体力はあるから大丈夫、有り難う。」
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