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~プロローグ~
「お~~い!待ってくれ~~」
「待って~~」
「待ってくださーい」
・・・・・・・・・・なんだよ
今日はやけに追っかけが多いな・・・
悪いがオレは超急いでるんだ。
待ってられないんだよ。
遅刻しちゃうじゃねーか!!
頼むから、超スピードでちゃりんこを漕ぐオレを止めてくれるなよ。
かつてのオレの通学路には出ると噂の峠がある。
(かつて と言う訳はまた後で説明させてくれ)
かなり急な坂道で、途中で気を抜いたらちゃりんこじゃ二度と登れない。
押して歩くのはみっともないだろ?
だから、ここを通るちゃりんこ勢は競輪選手並みの気合いが必要だ。
ここらじゃ心臓破りの坂と言われるが、坂を降り切る頃には軽い酸欠状態に陥りそうになる。
特に峠の頂上付近は、オレにとって魔の領域だ。
ハァ・・・・・
ハァ・・・・・
まったく・・・朝からきついぜ!
しかも、追っかけ付きだぜ?
「あっち行けよ!」
「ついてくんなよ・・・」
と、イチイチ返事してたら、隣を通り過ぎる車の運転手が不思議そうな顔でオレを見る。
そうだよなぁ・・・
誰がどう見てもオレの独り言にしか見えないよな。
なにしろオレは見えないモノに追っかけられてんだから。。。
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