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玄関先で泣いている少女を急いで招き入れ、テーブルを囲んで座る。
ソワソワと落ち着きなく体を揺らしながら、少女が落ち着くのを待つ。
「グスッ……では」
コホン、と咳払いをして、少女は封筒の中身を取り出した。
部屋に綺麗なソプラノボイスが響く。
皆へ
ティア、手紙届いたよ。ありがとう。
きっとあれが無かったら、俺は2度と皆に会えなかったと思う。
それと、心配かけてすまなかった。
あの後、色々と有ってな。どうしても皆には会えなかった。
皆と会えない時間は本当に辛かった。孤独には慣れていた筈なのに、この程度で寂しくなるなんて情けない話だな。
今すぐにでも会いに行きたいところだが、どうもそうはいかなくなった。
だから、手紙と一緒に指輪を同封しておいた。
俺の部屋に転移する能力を持った指輪だ。
男陣は誰かの体に触れてくれれば良い。
最後に、軽い近況報告だ。
俺は今、
「帝国で、教師をしている………?」
最後の一節を読んだ途端に、部屋の時が止まったように全員が固まった。
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