黒い影

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―――…… 夢をみた。 『奏多!成宮奏多はどこですか!!』 母の声が聞こえる。 『ご家族の方ですね。只今処置中ですので、掛けてお待ちください。』 看護師それだけ言って、忙しく廊下を駆けていった。 "あぁ、あの日の夢か" この時、初めて気づいた。 でも、変なの。 今までだって幾度となく見てきたのに、今の私の視界には母と父、それから 私が映っていた。 まるで、違う「私」としてあの日に迷い込んでしまったようだ。
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