兄妹――きょうだい――

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母の呼び掛けに、重く気怠い身体を起こして欠伸を一つ。 足を着いた床から、ヒヤッとした冷たさがかけ上がってくる。 今は床暖房なんていうのがあるみたいだけど、成宮家ではコタツと石油ストーブが最先端(?)暖房器具だ。 お陰で寒さで毎日顔をしかめて、皺がふえそうだよ。 「おはよう。」 リビングに入ると、5つ年の離れた兄が納豆をかき混ぜていた。 「おはよう!叶、ちょうどいいところにきた! 醤油とって♪」 …何でこの人は朝からこんなにも元気なんだ。 私は自分のご飯をよそい、醤油を持って食卓についた。
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