0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「お、親父じゃねえか!」
飲み屋に行き損ねた中年が、このメルヘンチックなんだかファンタスティックなんだかSFチックなんだか分けの分からない世界に、侍の格好でたたずんでいるのである。
「コロッセオに、侍は無いだろ...」
と、宇宙戦士のコスきてる俺が言っても、説得力無いか。
「親父は、何人殺ったんだ?」
「え?ああ。」
こりゃ、誰も殺れて無いな。
「じゃあ、教えてあげますよ。このゲームのやり方を。」
と、言い放ち、遠距離から矢を飛ばしてきたのは、安達琢磨だ。
「む、そうはいくか!おじさん、強いんだぞ?」
と、いいながら、親父は試合開始28時間にしてようやく鞘から刀を抜いた。
「ったあ!」と、言いながら、刀を振り落とした。
スパッと、気持ちの良い音とともに、矢が二つに割れて、地面に落下。
「お、親父、すげえじゃねえか!」
「む!これでも父さん、大学では、ラグビーの花形選手だったんだぞ!」
関係ねえ...
それに反応した琢磨。「すごいっすね!おやっさん!」
だから、関係ないんj「だろ!大知ももっと父さんをー」
「ごめん。」
ビームソードを親父の首へ。その頭は、空の彼方へと....
「本当ごめん」
『ナイス判断です。この調子で行きましょう。』
この、天の声さん(俺命名)は、なんと非道で、なんと...実に効率的なんだ!
「せ、先輩、おやっさんの首、はねちゃったよ」
「俺の親父の介錯をしたまでだ。」
『武士ですか』
武士だよ。うん。
琢磨も殺れるかな。
「私がやりますよ。」
と言ったのは、佐倉文恵ちゃん。さっき、このコのお兄さんに勝手に好意をつたえられ、実の兄貴の首を伐った、俺と同じ非道ー効率的な中2だ。
「文恵ちゃんも、俺と一緒難じゃないか?」
「佐倉先輩は、理由があるから大丈夫っす。馬渕先輩は...」
同類だろ、どう考えても。
「あ、先輩、私、57人リタイアさせましたよ。」
周りを見渡すと、確かに1/4位になってる。何だこのコ。すげえ。
「俺なんか、6人が精々だよ。すごいね!文恵ちゃ...]
「シャラップ!佐倉さんは誰にも渡さないぞ!」
と、突っ込んでくるのはー確か2年の
「あ、馬渕先輩!俺、瀬戸将司でっす!」
「あ、うん。知ってるよ。君のことは。」
「僕の恋のライバルっすよね!」
「ねえ、黙って、瀬戸くん」
といいなら、冷静に首をはねる、佐倉文恵(14)。恐るべし。
最初のコメントを投稿しよう!