第4話

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「お、親父じゃねえか!」 飲み屋に行き損ねた中年が、このメルヘンチックなんだかファンタスティックなんだかSFチックなんだか分けの分からない世界に、侍の格好でたたずんでいるのである。 「コロッセオに、侍は無いだろ...」 と、宇宙戦士のコスきてる俺が言っても、説得力無いか。 「親父は、何人殺ったんだ?」 「え?ああ。」 こりゃ、誰も殺れて無いな。 「じゃあ、教えてあげますよ。このゲームのやり方を。」 と、言い放ち、遠距離から矢を飛ばしてきたのは、安達琢磨だ。 「む、そうはいくか!おじさん、強いんだぞ?」 と、いいながら、親父は試合開始28時間にしてようやく鞘から刀を抜いた。 「ったあ!」と、言いながら、刀を振り落とした。 スパッと、気持ちの良い音とともに、矢が二つに割れて、地面に落下。 「お、親父、すげえじゃねえか!」 「む!これでも父さん、大学では、ラグビーの花形選手だったんだぞ!」 関係ねえ... それに反応した琢磨。「すごいっすね!おやっさん!」 だから、関係ないんj「だろ!大知ももっと父さんをー」 「ごめん。」 ビームソードを親父の首へ。その頭は、空の彼方へと.... 「本当ごめん」 『ナイス判断です。この調子で行きましょう。』 この、天の声さん(俺命名)は、なんと非道で、なんと...実に効率的なんだ! 「せ、先輩、おやっさんの首、はねちゃったよ」 「俺の親父の介錯をしたまでだ。」 『武士ですか』 武士だよ。うん。 琢磨も殺れるかな。 「私がやりますよ。」 と言ったのは、佐倉文恵ちゃん。さっき、このコのお兄さんに勝手に好意をつたえられ、実の兄貴の首を伐った、俺と同じ非道ー効率的な中2だ。 「文恵ちゃんも、俺と一緒難じゃないか?」 「佐倉先輩は、理由があるから大丈夫っす。馬渕先輩は...」 同類だろ、どう考えても。 「あ、先輩、私、57人リタイアさせましたよ。」 周りを見渡すと、確かに1/4位になってる。何だこのコ。すげえ。 「俺なんか、6人が精々だよ。すごいね!文恵ちゃ...] 「シャラップ!佐倉さんは誰にも渡さないぞ!」 と、突っ込んでくるのはー確か2年の 「あ、馬渕先輩!俺、瀬戸将司でっす!」 「あ、うん。知ってるよ。君のことは。」 「僕の恋のライバルっすよね!」 「ねえ、黙って、瀬戸くん」 といいなら、冷静に首をはねる、佐倉文恵(14)。恐るべし。
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