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「荒絹隊長。これを。報告書と情報の提出です」
冷静さを装い、動揺を気取られないように、書類とCD-ROMを無造作に机の上に置いた。
「……貴方が持ってくるなんて珍しい」
「……薄汚い、治安維持部隊の飼い犬が貴女の部屋にくるのは気に入りませんか?」
荒絹の表情は変わらない。
「自分を卑下するのはやめなさい。私はあなたの働きに感謝しています」
――心にもないことを。
「……冗談ですよ。今回は見学者がいなかったのでね、なんせ、相手がむさっくるしいオッサンじゃあね……。仕方ないので、私一人で全部やるはめになりまして」
苦笑しながらそう答えると、荒絹がため息を吐いた。
「……見学者。この仕事をなんだと思っているのか」
「まぁ、娯楽が少ないですからね。ここは。多少は多目に見て……」
「取り調べは娯楽じゃない。重要な情報を収集し、お互いの被害を最小限に抑える為の大切な“必要悪”だ」
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