261人が本棚に入れています
本棚に追加
「……怖いのか?」
くすりと笑い、彼女に言ってやる。
彼女が怪訝そうな表情をした。
「私が怖いのかと聞いている」
「何をバカな事を……」
呆れたように言う彼女にグッと顔を近づけ、ニヤリと笑ってみせた。
「じゃあ……なんでさっきから震えてるんですか? 荒絹隊長?」
言われた瞬間、彼女に隙ができたのを私は見逃さなかった。
素早く、彼女の手首を反転させ、もう片方の手首と一緒に背中でひとまとめにしながら、机の上に組伏せた。
「なっ!?」
慌てる彼女の上にのし掛かる。
「……たったあの一言で隙を作るなんてね。意外に可愛らしいな、あんた」
腰を強く密着させると、彼女が鋭く睨み付けてきた。
そんな彼女を鼻で笑いながら、懐から帯紐を取り出した。
たすき掛け用のその紐で、彼女を後ろ手に縛っていく。
「……っ!! 何をしている!! やめろ!!」
明らかに狼狽している彼女が愉快でたまらない。
最初のコメントを投稿しよう!