絶愛

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「なるほど。女捨てて頑張ってきたって訳か。確かに……あんた、男の経験値が低そうだもんな。肌が男を知らないって言ってる。今までヤったの……一人か二人ってところか」 言いながら、脇腹に指を置き、ゆっくりと文字を書くように這わせる。 「……ん!!」 彼女がくすぐったそうに身を捩るのを押さえつけ、何度も指を這わせれば、耐えるようにして顔を背けた。 その顔を――顎を掴んで自分の方を向かせる。 「私の目を見ろ」 指を胸の辺りで蠢かせると、彼女が荒い息を吐いた。 「……ん!! やめ……て!!」 「……これぐらいで根をあげられたら、先が思いやられるな」 「なんで……こんなこと!!」 「なんで?」 小馬鹿にするように笑い、それでも身体中に指を這わせ、更に追い詰めるように言う。 「リラックスさせてやってるんだよ、あんた、ストレスが多そうだし」 「そんなもの……必要ない!!……今すぐ、やめないと……人を……呼んで……!!」
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