絶愛

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私の全てに絡めとられ――束縛され――いつの日か、絶対に手に入れてやる。 貴女の“心”以外の全てを――奪って食らい尽くしてやる。 それは“愛”によく似た――私からの呪い―― そうして月日はどれくらいたっただろうか? それは青天の霹靂とも言える――治安維持部隊を震撼させた出来事。 死番隊隊長の突然の辞任。 表向きの発表は病気療養とされていた。 けれども―― ―――― 「本当はさぁ~荒絹隊長。辞任じゃなく裏切ったらしいよ?」 「裏切った?」 その話を聞いたのは、治安維持部隊のある女隊員からだった。 若くてしなやかな身体を持つ、明るい女。 治安維持部隊の女には珍しいタイプ。 その女に誘われるまま一晩を共にし、ベッドの中で聞いた事実だった。 「うん。なんかね、襲名クリエイターになったんだって」 女が裸のまま、同じく裸の私の上に乗る。
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