愛液と死の溜飲

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時刻は深夜0時を回ったところ。 わずか四畳半の古アパートの一室。 電球は半年以上前に切れてから替えていない。薄暗い室内はパソコンのディスプレイが照らす淡い光りが明滅を繰り返し、その度に埃と煙草の煙が形取られる。 俺は再び煙草に火を着けた。 部屋の悪臭は増し、酸素濃度が下がる。 以前、換気をせずに煙草を吸いながらアダルトビデオを明け方まで見続けた結果、上の階に住む中年の女性に怒鳴られたのを思い出す。 まるでボロ板をつなぎ合わせただけの作りなのだ。煙草の煙は上の階に到達するのは決して不可解なことではない。しかしながら換気するために立ち上がる気力など湧き上がるはずもなく、また今日もこうして画面越しで機械的に腰を付き合う様を灰色の瞳で眺めながら時を浪費する。 すでに何十とまぶたに吸い寄せた内容。 欲情など起こりはしない。 無に近い感情に安堵を抱きながら、煙草を呼吸器代わりに画面を眺めるだけだ。 まさかこんな形で20歳の誕生日を迎えることになるなんて、上京した頃は思いもしなかった。
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