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「彼らにしますか」
スーツを着た女が男に話しかける。
「うん…彼らならいけるはずだ」
サングラスをした、小太りの男が返事をする。
「では、タケシタ・ガムとコウガ・マイでよろしいですね?」
「いや、コウガ・マイではなくシミズ・ユウスケの方にしよう。彼の方が育て甲斐がありそうだからね」
「かしこまりました。では、私がシミズ・ユウスケに近づきます」
「よろしく頼んだ」
「お前、案外良かったな」
上から目線でユウスケが話しかけた。
「でもどうせなら勝ちたかったな」
「そこは知らねぇよ」
笑いながらユウスケはガムの頭を軽く叩いた。
「次は勝つからな!!ってか、また戦ってくれ。たまたまじゃなく……な?」
「もちろん。勝たせるわけねぇけど。んじゃ」
満面の笑みでユウスケはマイの元へ歩いて行った。
「またいつかやりましょうよ。あの彼氏君も混ぜてね」
「彼氏!?いや、別にかかかかか彼氏とかそんなんじゃなくて。だからえっと…」
「ははっ!!動揺しすぎ」
爆笑された…やっぱこの女の人わかんないけど、ガムくんのこと彼氏って。嬉しかったな。恥ずかしかったけど……。
「ま。また戦お?」
「あ、はい。是非!」
「それじゃぁね」
「はい」
「ユーウー」
終始謎だったんだけど…。
「ユイ!」
「わっ!!!!」
突然の背後からの声と、もう一つの感情でつい驚いちゃった。
「どうした?顔赤いぞ」
「べ、別に━━!!」
「そっか」
「うん……」
「帰りながら、そのガンプラ見せてな」
「い、いいよ。ほら」
「あぁ、今じゃなくていいよ。戦績も見たいし」
早く気付いてよ。ガム君の馬鹿。
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