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鈴木さんの案内で理事長室に着いた。
途中で建物の構造について説明してもらったりとお世話になった。
「凪雲くん?」
「あ、はい……」
ぼーっとしていたようだ。
理事長はできるお兄さんのような雰囲気が漂う20代くらいの見た目。若い。
「まぁ、私から話すことはほとんどないだけどね。一度君に会ってみたくて」
「……?」
「理事長」
「アハハ、いや
うちの編入試験で満点をとったのは君だけだったから」
「満点だったんですか?」
実は必死に勉強していたから嬉しかったりする。
「ああ、そうだ。
だから君をあのクラスにするというのは気が引けるが……」
「その件でしたら、そのままでいいです」
怖がられるのには慣れたけど、それでもやっぱり怖がられない方が良かった。
「話はそれだけでしょうか?」
もう切り上げてもいいだろう。
「ああ、すまないね。鈴木」
「はい。
来嶌(クルシマ)さんこちらへどうぞ」
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