第3章 もう1つの出会い

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そんな中、会社で突然の腹痛で倒れた。 救急車で運ばれて検査を受けた。 診断は、子宮内膜症。 かなり進行してたので医師からは、 「子供が出来にくいかもしれないので、きちんと治療を致しましょう。」 だった。 今の様にインターネット普及前だったので、子宮内膜症はどうゆうものなのか簡単に調べる術もなかった。 調べようと思えば、医学書で調べられるのに……。 もの凄い痛みと結婚前の体が婦人科と言う場所で検査されたのが、ショックで思考回路も麻痺してしまっていた。 医師の話をキチンと聞けてなかったのだろう。 『子供が出来ない。』 そう捉えてしまったのだ。 次のデートで、彼に 「子供出来ないんだって……。私。」 と、伝えてしまった。 彼が跡取り息子だと言う事も、子供が大好きな事も知っていた為、隠して結婚する程、私自身が強く無かった。 その日は彼も 「気にしないよ。」 と慰めてくれたし、 「子供より私と居たい。」 と言ってくれたけど、私はこの日既に別れは予感していた。 その予感は、思った以上に早く訪れた。 予感していたのに、5年の月日は想像以上に私の心身を蝕んだ。 やせ細り青白くなって行った。 そんな私の姿を、同じ会社の男の人……。 今の主人が心配そうに見つめてくれているとも知らずに……。
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