第3章 もう1つの出会い

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友達や同期や親までも腫れ物を触る様に、気を遣ってくれてるのがわかる。 だから私は精一杯笑顔で大丈夫だとアピールをした。 ますます心は苦しくなる一方なのに……。 そんな中、突然同じ会社に勤める大塚さんに呼び出された。 「付き合って下さい。」 と言われた。 ストレートな告白だった。 まだ子供が出来ないと勘違いしていた私は、もう付き合ってふられるのは嫌だった。 子供が産めない事実を伝えお断りをした。 でも、大塚さんは諦めずに何度も何度も試行錯誤で私にアタックしてくれた。 子供が出来ないと言っても、 「子供居なくてもいいんです。」 と言う。  でも、そんな事を言って、また男の人は子供が出来ない私を捨てるだろうと、信じてはいなかった。 そんな私を見て、大塚さんは私よりまず親の説得を試みて、自分の両親に結婚をしたい相手が居ると話たのだ。 そして、結婚を前提にお付き合いしてほしいと、別れは来ないんだと……。 私が一番不安に思う事を消し去って、まずは結婚からと直球勝負を挑んで来た。 その時も今も主人に感謝している。 お付き合いを飛ばして、すぐに結婚に至った私達だったが、まるで運命に導かれる様に結婚までの道を歩んだ。 主人は地方出身の為、近くに親戚もなく、ボロアパートに居た為、新居もボロアパートスタートの予定だった。 私は主人の事を何も知らずに結婚してしまった。 結納。 主人の実家は資産家だった。 盛大な結納式をして、結納金も破格であったが、結納返し、花嫁の荷物など主人の実家に言われるがまま、私の両親は娘に恥はかかせられないと大金を叩いて支度をしてくれた。 今思うと、着物や帯・家具・寝具・車など必要ないものが沢山あるのに……。 両親に申し訳なく思いながら、結婚まで慌ただしく過ごした。 チャペルに憧れていたのに、主人の両親は神前しか認めないと白無垢で迎えた結婚式。 全て主人の実家の方針で進んだ。 新婚旅行を終え、主人の実家へ挨拶に伺った時に、この結婚の第一の試練が訪れた。
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