第3章 もう1つの出会い

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結婚一番の難点は潔癖症だった。 主人の潔癖症は想像以上だった。 主人は手すりや吊革は勿論の事、外のものは全て汚く思える様で、全ての物が家用・外用を用意して、自らもお手洗いの度にシャワーを浴び下着を替える徹底振り。 これに関しては、かなり喧嘩は絶えなかったがいつの間にか主人に合わせた生活を送る様になっていた。 ただ、私が高熱を出し病院に行き帰って来た時の事。 外から帰ったらシャワー……。 何も考えずに来た主人との暗黙のルールだったが、まさかこの熱で? 全身寒気と痛みに苦しんでるのに? でも主人は外は汚いと、まして病院にいった私をベットに入れることは出来ないと、苦しむ私に怒鳴りつけてお風呂へ連れて行かれた。 私はしぶしぶシャワーを浴びて、ベッドに横たわった。 歳を追うごとに、主人の潔癖症はひどくなる一方だった。 しばらくして、やはり子供が好きな私はどうしても子供が欲しくなった。 不妊治療を受けたいと主人に相談したら、好きにすればいいと言われた。 その時知ったのだが、主人は本当に子供が苦手だったらしく、また子供は汚いと思うから本当に子供はいらないと思っていた様なのだ。 ただ、私がどうしても欲しいと言えば、ご自由に……。 で、あった為私は不妊治療を始めた。 10年を超える不妊治療には、身も心もボロボロになりそうだったが、主人は病院に行く気はさらさらなかった。 主人自体は、家系的に問題はないと、主人自身もそう思っていたようだし、主人の両親にもうちは問題ないと何度も言われていた。 だから検査はしてはくれないので、私だけで治療に励んでいた。 ただ、主人が子供に執着がないのは逆にプレッシャーにならないと言う点では精神的には救われた気がする。 勿論、主人の親・親戚にはかなり嫌みは言われたが、離れて暮らすので年数回なら我慢は出来た。 何度か妊娠はしたが、すぐに流産。 泣きじゃくる私を見て、最終的に主人も病院に付き合ってくれた。 その時の結果が、後の私の苦しみにつながるとは考えも及ばずに……。 診断結果は、主人と私の白血球の型が近い……。 遺伝子の型が似ている場合、妊娠し辛いのだと言う。
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