第4章 骨折…心も折れて…

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主人に、 「明日、また整形外科行くか?」 と聞かれたが、 「だって、レントゲンで治ってたんだよ?卒業だって、先生や看護士さんに見送られて来たのに行き辛いよ……。」 と話すと、 主人は少し考えて、 「まだ18時か……あの接骨院行ってみるか?」 と、言われた。 記憶の中で忘れ始めていたはずなのに、また温かい風が心の中に吹いた気がした。 お風呂にも入ってしまい、トレーナーとブカブカのゴムのズボンで着替えたかったが、時間もギリギリで短気な主人に急かされ、スッピンのまま、あの接骨院に再び足を踏み入れる事になった。 借りていた松葉杖を整形外科に返してしまった為、外を歩く事もままならない。 潔癖症の主人は支えてはくれない。 必死に痛みをこらえて、ギプスシャーレの足の硬いかかと部分でカツンカツンと引きづりながら進んだ。 接骨院のドアをくぐると、今まで感じた以上に、ザァ~~~っと風が吹いた……様な気がした。 目の前には、あの白衣姿の院長先生が立って居た。 院長先生は、 「大丈夫ですか?」 穏やかな優しい声で訪ねた。 「あの~、痛くて……。」 余りの痛みに顔が歪んだ。 主人は受付で保険証などの手続きをして、私を振り向かずに居たので、院長先生が片手で支える様にして、 「かなり痛そうですね。このまま待合室は辛いでしょうし、院長室に来て下さい。」 と言いながら、小さい体で私を必死に支え様としてた娘に笑いかけた。 「久しぶりだね。ピーターパンの続き見る?」 と微笑んで、受付さんに操作を頼んでくれた。 その後、私を支えながら院長室のスツール椅子に下ろした。 院長室はシンプルだが、落ち着く雰囲気だった。 院長先生は、 「あれから2ヵ月以上経ちますね。第5中足骨の骨折なら、2週間から1ヶ月で治ると思いますが、また怪我したのかな?」 と言いながら、 「急患として、すぐ通しちゃったし、丁度お待ちの患者様はいらっしゃらないから問診票はこちらで書いて頂けますか?」 またあの少し首を傾げた感じで微笑んだ。 私は顔が赤く火照るのを感じながら、必死に下を向き、問診票の記入を始めた。 大きな体をかがめて、私が記入している問診票で今日までの経緯を見ながら、院長先生は話出した。
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