第2章 出会い

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「さくら~~~ぁ!!!」 繋いでいた手を振りほどき、突然走り出した娘を見て、私は思わず叫んだ。 キキ~~~ッ! 私は走り来る車に飛び込んで娘を助けた……。 つもりだった。 私の腕は娘に届かず……。 私は、その場で目を閉じた。 「うわぁ~ん、ママァ~~~!」 「さくら?」 目を開けると、そこには白い大きな固まり? 娘の姿は見えないけれど……。 車はその少し手前でギリギリ止まっていた。 運転をしていたおばさんも真っ青になって車から降りて来た。 「大丈夫ですか?」 運転をしていたおばさんも震えていた。 私も呼吸が上手く出来ない位震えていると……。 「お母さんかな?娘さん無事ですよ。お車の方も、お子さん無事ですよ。」 穏やかな柔らかい声と共に、白い大きな固まりが立ち上がり、振り返った。 ふぁ~っ。 風が流れて来た。 まるで自分が透明になった様な不思議な感覚を覚えた。 すぐ我に返りその白い大きな固まりは、男の人の白衣だと気付いた。 白衣の人の腕には、愛娘が大事そうに抱きかかえられている。 「うわわぁ~~~ん。」 泣きじゃくる娘を、震える体を必死に抑え白衣の人から受け取り、ギュッと抱きしめた。 「あっ、ありがとうございます!」 「突然飛び出して、本当に本当にすみませんでした。」 車を運転していたおばさんにも、深々と頭を下げお詫びした。 「無事で良かったわ。」 おばさんは幾分震えも収まり、落ち着きを取り戻し笑顔で答えてくれた。 車にはぶつからずにすんだ事にお互いにホッとしながら、助けてくれた白衣の人にお礼を伝えた。
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