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それからは、主人にも優しく接していた。
でも、まだ院長先生への思いは私の心を絞めつけていた。
会いたい。
会いたい。
会いたい……。
1人になると、ふと、涙が溢れ落ちる。
苦しい。
この思いを止めて欲しい。
ある日、主人にお願いした。
「ぎゅ~~~って抱きしめて。」
と……。
主人は、
「はあ~~~?何エッチしたいの?」
と、笑った。
「違う!服着たままで、ぎゅって抱きしめて欲しいの!」
真剣な眼差しで訴えた。
主人は馬鹿にした面持ちと、声で、
「いいババアが何言ってんの。キショイ!アホ!」
と取り合ってくれなかった。
でも懇願したら……。
「んじゃ、エッチさせてくれたらね。」
「違うよ!ただ抱きしめて欲しいんだよ!」
「ずっと、してないじゃん!」
「熱あるの!具合悪いの!寂しいの!」
「すぐ済むって!」
私は、1日も早く院長先生を忘れたかった。
この想い全てを忘れたかった。
私は主人の妻。
これは当たり前。
承諾して、潔癖症の主人に言われるがまま、シャワーを浴びた。
熱に震えながら……。
そして、行為が終わった後、抱きしめてくれるかと思ってたのに、
「早くシャワー浴びて!」
と、潔癖症の主人は即シャワーが当たり前。
服着たままで、ただ優しく包み込んでもらいたかったのに……。
女扱いはしないのに、はけ口だけを求めるの?
私はね。
体ではなく、心の繋がりが欲しかったのに。
まるで、人形だよ。
そんな事を考えていたら、主人はしびれを切らしたのか、私の胴を蹴ったのだ!
「早く、シャワー!」
抱きしめる所か蹴ったのだ。
院長先生助けて……。
苦しいよ。
忘れたくて、私なりに精一杯頑張ったんだよ。
でも、私は一生女扱いしてもらえないの。
なのに、人形の様に抱かれるだけ。
心がガラガラと音を立てて崩れ落ちるのがわかった。
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