第13章 考え方

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そんな、年末。 院長先生のブログに院長先生が高熱を出し、風邪を引いたと記載されていた。 心配で不安で。 看病してくれる人は居る? 大丈夫? 高熱を出す少し前に、薄着のままバイクにまたがり海に出掛けてしまったと記載されてた。 院長先生は何を思っているの? 何を考えているの? 何を悩んでいるの? 馬鹿みたい。 仕事から帰って、急いで野菜スープとプリンを作った。 作り終えて、自分の馬鹿さ加減にはっとした。 届けられるわけないじゃない! 誰も居ないキッチンで、声を上げて泣いた。 会いたいよ。 看病したい。 駆けつけたい。 そんな想いを涙と共に流さなきゃ。 まつ毛も抜けっちゃう位泣いた。 院長先生。 私ね。こんなに泣き虫じゃなかったんだよ。 子供の頃から自分を押し殺して来たからね。 泣けない子だった。 我慢していた子供時代の涙もこれから死ぬまで流す涙も……、一生分の涙を今年は流してる気がする。 早く涙枯れちゃえばいいのに……。 記憶喪失になりたいよ。 でも、私はどんなに辛くてもいい。 神様、早く院長先生の風邪を治して下さい。 お願いします。 そうして私の誕生日から一か月が過ぎて行った。
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