1183人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
やっぱり私が狡いからなのかな。
私のこの気持ちは受け入れにくいと思われているのかもしれない。
由哉と別れるまで一緒にいたから、好きだと錯覚してるだけって言われたのが正解なのかもしれない。
千紘に相談しても、こればかりは解決しなくて。
『それにしても、楓ってイイ男だねぇ。なんかヒーローみたい。』
って、私の落ち込みを余所に盛り上がっている。
ヒーローかぁ……そうかもしれない。
昨日、宮瀬さんが自分でそう言っていたのを思い出して、また涙腺が緩む。
まだ分からないことばかりだけど、もっと宮瀬さんのことを知りたくて。
もっと好きになりたいな……宮瀬さんと恋がしたい。
私のことが好きだと言ってくれるのが、今度会うまでの期間限定だとしても。
その間だけでもいいから、宮瀬さんと恋がしたい。
結局、すれ違いを選んだ宮瀬さんの気持ちは、彼しか知らないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!