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ロッカールームに着く頃には話題の中心は変わっていて、私は聞き役になっていた。
『本当になかなかいい人見つからないんだよねー。』
彼氏募集中の千紘は、24日の夜からクリスマスコンパに参加していた。
報告を纏めると、今回もハズレってことか。
『まーったく、果名はいいねよぇ。スタイル良し、顔良し、性格良し。会社は一流商社。おまけにクリスマスは、おねだり無しでジュエリーをくれちゃう。しかも、朝から目も当てられない程のラブラブ。
そんな彼氏、私もほしーいっ。』
2人で並んで、全身をチェックして、グロスを控えめに塗る。
『今日、いい出会いがあるかもしれないでしょ?』
『あるといいけど。』
『今、頭の中で条件並べてハードル上げたでしょ。』
そう言うと、千紘がバレたかって舌を出した。
『またランチで話そ。』
午前中は、千紘が1人で業務をこなすシフトだったけど、半休取り消しの私も朝から出ることにした。
ロッカールームを一緒に出て、受付に向かう。
『本日は、10時と15時にアポイントがあります。よろしくお願いいたします。』
仕事モードの私たちは、予定を確認して姿勢を正し、少し高い椅子に座る。
9時。
『おはようございます。』
出社してきた社員に挨拶をしたり、朝イチの来客の対応を始める。
今日も1日が始まった。
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