13人が本棚に入れています
本棚に追加
「1人ずつ……?」
セシルはその違和感を口にして首をひねった。
毎日1人ずつとは、妙ではないか。
ここ最近、モンスターが人を襲うという事件はよく耳にする。しかしそれに法則性があるという話は聞いたことがない。
たまたま毎日、1人襲えば気が済む?そして毎日、人を襲いたくなる?
そんな話があるだろうか。
「村長が、国に助けを求めようとしたんだけどね。最近、色んなところでモンスターが出没してるんだって?こんな小さな村は後回しだよ。誰も助けになんか来やしない」
母親はそう言って、イスに座り込んだ。
「モンスターは、決まって日が暮れた頃に現れるんだ。だけど村のみんなは、もうずっと家に隠れて、外に出る人はいないよ」
セシルのすぐ下の弟のレオが、母の言葉を繋いだ。
決まって夕暮れ時……。
それもおかしな話だ。
セシルは眉をひそめた。
最初のコメントを投稿しよう!