セウンデ村

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   ◇ ◆ ◇  少女がその村にたどり着いたのは、陽が傾き始めた頃だった。  長旅で溜まった汗と疲労を早く流したい。  一刻も早く今日の宿を探さねば、と、少女は足早に歩いた。  しかし。  少女は思った。田舎であることは見てすぐ分かるが、それにしても人が少ない。  少ない、というか、全くいない。  まだ薄暗い時間帯。夕飯の買い物をしている主婦や、友人と遊び回る子どもたちがいてもいいようなものではないか。
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