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セシルは、モンスターが下りてくると言われた山のふもとに一人立っていた。
山のふもとは、村のはずれに位置し、一面荒野が広がっている。
ゴツゴツした岩が転がっている以外は何もない、殺風景な所である。
ひょうひょうと吹く風の音の他は静かであったのも束の間。セシルの頭上から、地鳴りともとれるほどの低く響くモンスターの唸り声が降り注いだ。
セシルは腰の剣に手を当て、身構えた。
一瞬、静寂が空間を支配し、次の瞬間、彼の目の前にモンスターが降り立った。
突然のモンスターの出現にセシルはたじろいだが、すぐに気を取り直し、間合いをとるため数歩退いた。
改めて対峙すると、モンスターの大きさにセシルは息をのんだ。
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