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でかい……。
いや、でかいなんてものじゃない。
薬売り夫婦の家を屋根から潰しただけのことはある。
そのモンスターは、3メートルを優に超えるのではないかと思われる巨体で、セシルを見下ろしていた。
太古の恐竜のような外見で、口元からは流涎し、充血した眼のモンスターは、この世のものとは思えないおぞましさがあった。
「これは、ちょっとやばいかもな……」
セシルは苦笑いをした。想像を遥かに超えた巨大なモンスターに、ごくりと唾を飲み込む。
「グルルルル……」
モンスターが低く唸った。今にも飛びかかってきそうな態勢で、セシルを睨んでいる。
――先手必勝!
覚悟を決めて、セシルはモンスターに突進した。
走りながら剣を抜き、切りかかるため腕に力を込めた――
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