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「ちょーっと待ったあ!」
緊迫した空気をぶち壊す叫び声が響き渡り、セシルは剣を振りかざした姿勢のまま動きを止めた。
突然の大声に、モンスターも動きを止め、警戒している。
セシルが声のする方に視線だけやると、この場面には到底似合わない小さな少女が息を切らして立っていた。
「そのモンスターはあたしがやっつけるんだから!あんたはどいてて!」
少女はずかずかと走り寄ると、モンスターとセシルの前に立ちはだかった。
「……なっ、おい!危ないからよけろ!」
セシルは慌てて、少女の腕をつかみ、自分の方へ引っ張った。
「きゃっ!いっ……たいわね!何するのよっ」
少女はよろけながらもセシルを睨み、つかまれた腕を乱暴に振り払った。
セシルはカッとなり怒鳴った。
「それはこっちのセリフだ!何を考えてる!早く隠れろっ」
しかし少女は怯む様子もなく、フンと鼻を鳴らした。
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