3人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、こいつはあたしが倒すんだってば!あんたこそどっかに隠れててっ」
「なっ……」
少女のあまりの発言にセシルは言葉を失った。
なんだ、このガキは。死にたいのか。
次の瞬間、心臓に響く重低音が荒野中に響き渡った。地面が音の振動で揺れている。
モンスターが雄たけびをあげたのだ。
――ちっ。
セシルは舌打ちをし、少女を乱暴に後ろに押しやった。
「……なにするのよおっ……」
後ろの方で少女が何か叫んでいたが、構っている暇はない。
早くしないと、2人とも殺されてしまう。
セシルは、殺気を振りまきながら突進してくるモンスターを見据えた。
やつが襲いかかる直前、上に跳び、頭からたたっ切ってやる――っ。
セシルは剣を構え、態勢を低くした。
モンスターとの距離が縮む。
3メートル、2メートル、1メートル……
最初のコメントを投稿しよう!