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――今だっ!
モンスターが、セシル目がけてその大きく太い腕を振りかざした瞬間、彼は膝をぐっと曲げ、反動で高く跳び上がった。
振り下りてくるモンスターの鋭い爪を紙一重で交わし、剣を高く振り上げる。
跳び上がった体が、重力によって地面に引き戻される。
下降する勢いにのって、モンスターの頭目がけて力の限り剣を振り下ろした。
「グギャオウッ」
腹底に響くほどの轟音で、モンスターが唸った。
ちっ。はずした。
狙いから少しそれ、剣はモンスターの左肩から胸にかけて、深く切り込まれていた。
「ガアッ」
激痛に、モンスターが狂ったように暴れだす。
そして、自分に苦痛を与えたセシルに向かって、鋭い牙をむき出しに突進してきた。
「グオオオオッ」
セシルは剣を握り直し、自らもモンスターに向かって走り出した。
――次で決めるっ!
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