出会い

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 張り詰めた空気が、荒野を支配した。 セシルの僅かな動きにも、モンスターは敏感に反応している。    重苦しい静寂を破ったのは、セシルの地面を蹴る音だった。 覚悟を決め、モンスターへ突進する。 「――ぉぉおおおっ!」 「グオオオオッ!」  セシルとモンスターの雄叫びが交錯する。  セシルは身を低く屈めながら走った。  モンスターが、再びその太い腕をセシルめがけて振り下ろす。  さらに深く身を屈めたセシルの頭上を、ブォンッと音を立てて、モンスターの腕が空を切った。  ――かわしたっ!    セシルは剣を握る手に力をこめた。 「うおおああああああ!!」  セシルの気迫が、大気を揺らす。  ――決着は、一瞬だった。  セシルがモンスターに向かって剣を振り上げた瞬間、閃光が走った。  瞬きをした刹那、モンスターは腹から真っ二つになって地面に崩れ落ちていた。  
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