祭りの夜

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「例のモンスターを倒したお礼って、もう貰ったの?」  セシルは持っていた酒を飲みながら首を横に振った。 「いや、まだだ。皆がせっかく楽しんでいるところに、水を差したら悪いと思ってな。……というか、故郷を守るのは当たり前のことだ。礼なんていらないと俺は思ってる」 「なに言ってんのよ!」  サラが大きな声をあげた。  耳元で急に声を張り上げられ、セシルは思わず持っていた酒をこぼした。 「故郷だろうがなんだろうが、こちとら命張ってんのよ!貰えるもんは貰わなきゃやってらんないでしょうが!特に今回のは大物だったわ。こんなど田舎の村じゃ賞金首リストに申請もしてないだろうけど。もしリストに載ってたら、協会から結構な賞金が出るレベルよ」  興奮気味にまくし立てるサラ。 「賞金首リストとか協会って……チビちゃん、まるで賞金稼ぎ屋みたいな言い方だなあ」 「誰がチビですって!?」 「あ、いや、失礼」  つい口を滑らせたセシルは、苦笑いを浮かべた。
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