深夜の訪問者

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「お前は、たった一人でバウンティハンターをやっているのか?」 「そうだけど」  一人旅だと言っていた。 家族とはバラバラだと。 恐らく、賞金稼ぎで生計をたてているのだろう。 だからあんなにも賞金を手に入れることに必死で……。 こんな幼い身空で、それはなんと過酷な運命だろう。  そこまで考えると、セシルはこの少女のことがますます不憫に思えて胸が熱くなった。 「な、なによ、その目は……」  サラが怯むように後ずさる。   「あ、あたしはもう寝るわよ。おやすみ」  セシルの視線から逃げるように、サラは寝室の扉を開けた。 「ああ、おやすみ」  セシルはサラの寝室の扉が閉まるまで廊下に立って見守っていた。
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