深夜の訪問者

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 少年がそう言った途端、先ほどサラを木の幹へ打ちつけた時と同じ衝撃が、サラの腹部を襲った。 「かはっ」  サラはがくりと膝を折り、その場に崩れ込んだ。 「ちょ、ちょっと待って。クロってなに!?」  サラは慌てて少年に問いかけた。 少年はあげた両手をそのままに話し出す。 「僕のペットのクロだよ。帰りが遅いから様子を見に行ったら、真っ二つになって死んでいた」  ペット?  サラは必死で考えを巡らせた。 「真っ二つ」という言葉に、今日セシルが倒したモンスターが頭に浮かぶ。 「ひょっとして、あのバカでかいモンスターのこと!?」 「そうだよ。……クロの血の臭いを辿ってここまで来たんだけど……知っているってことは、やっぱりお姉ちゃんが殺したんだね」  少年はキッとサラに鋭い視線を向けた。 「クロの敵(かたき)!」  そう少年が叫んだ瞬間、また目に見えぬ力がサラを襲う。 「きゃあっ」  サラは後ろへ吹っ飛び、地面に強く叩きつけられた。
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