07.飲めない女もbarにいる

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――チャラリーン。 枕元で突然鳴り響いた電子音。 まだまだ微睡みの雲海をふよふよ漂っていた私は、一気に其処から急降下した。 誰だよ、こんな朝っぱらから。 重たい目蓋を開ければ、意外にもカーテンからは朝日が射し込んでいた。 私はボサボサの髪を撫で付けながら、充電器に繋がれた携帯を手に取る。 ボケーっとする頭と、緩慢な動作。 時計表示を見れば、もうすぐ七時になるところ。 何だ、もうそんな時間だったんだ。 睡眠妨害だと発信者に湧きかけた殺意を丁寧にしまっていると、タイミングを見計らったように目覚ましアラームが鳴った。 私は、アラームを止めてから新着メールを開く。 《おはよう。朝早くにごめんね。今日の夕方、予定通りで大丈夫かな?》 未登録アドレスからのそれには、ご丁寧にも件名に『倉橋だよ』などと添えられ――何となく此方の電話帳が筒抜けな気がする。 けど、まあいいや。 私は、予定に関しては特に問題ない旨を打ち込み、さっさと返信した。
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