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◆◇◆
ふと目が覚めれば、まだ薄暗い部屋の反対側に本棚の白が、ぼんやりと浮かんで見えた。
ゴソゴソと枕元を探り、指先に当たったプラスチックの感触。
――カチッ。
開いた携帯が、ぼうっと青い光を放つ。
相変わらず月明かりに戯れるイルカと、右上の小さなデジタル表示。
私はホッと息を吐き出し、肩の力を抜いた。
そして、手にしていた携帯を閉じる。
なんとなくチラリと隣へ視線を投げれば、掛け布団の端から覗く黒い髪。
てっぺんだけ出ている頭と、そこから稜線を描くようにこんもりと膨らんだ布団が、ゆっくりと上下していた。
ベッドから這い出した私は、手の中の携帯をポイッと投げる。
すると、それはシーツの上で小さく跳ねた。
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