129人が本棚に入れています
本棚に追加
「……で、急に畑違いの事を要求されたせいか、何だかちょっとプレッシャーというか……」
うん、やっぱり言えない。
勝手な想像の臆測で、グダグダぶちぶち漏らすなんて、どう考えてもウザイ女だ。
頭の中で文句が渦巻いてる時点で、既に面倒な女だという事は確定してたりだけど。
…………。
あー、何か中途半端に話したせいか、余計に気が重くなったかもしれない。
よく、
『嫌な事は忘れるのが吉』
なんて言うけど、これってなかなか難しいよ。
私は、内心盛大な溜め息をつきながらも、
「私なんかの意見を聞いてどうするんだろうとか、そんな大事な書類をあんな所で出して大丈夫かなとか、色々心配になってきて……」
と、眉を寄せて困り顔をつくる。
多分、不自然ではないはず。
だって、嘘は言ってない。
けれど――――
私は、彼が一瞬だけ渋い顔をしたのを見逃さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!