13.浮かぶのは貴方の言葉です #2

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一分なのか、十分なのか。 もしかしたら、もっと長い時間かもしれないし、意外と短い時間だったかもしれない。 目の前の彼女は、相変わらずの綺麗な横顔のまま、ぼんやりと外を見ている。 時折揺れる睫毛が、辛うじて生きてる事を表しているような、そんな、不可思議な存在。 そして―――― 「先輩……LGBTとか、セクシャルマイノリティって言葉を知ってますか?」 漸く彼女の口が開いた。 ただ、目線は此方を向いていない。 遠くを見るような雰囲気は未だ変わらず、抑揚の無い声が響く。 「え……」 「私、それなんです」 「…………」 「私が好きになるのは、いつも女の人なんです」 其処でクスッと笑った彼女は、一瞬だけ此方を見たけど、再び視線は逸れる。 「気持ち悪いですよね、私」
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