12.倉橋和也という人間 #2

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「昼間のメールの件ですか?」 痺れを切らした私は、思い付く事柄を口にする。 昼間送ったメールは、勿論有給休暇に関する水瀬さんからの伝言だ。 『あー、いや……』 「…………?」 『……堀内って今そこにいる?』 「堀内さんですか?今は書類のチェックされてますけど……あ、まさかまた電源切られてましたか?」 バッと振り返る私は、三歩でドアのノブを捻る。 嵌め込まれた硝子から見えるのは、鼻スプレーをぶんぶん振る仕草。 『いや、一昨日もかなり鼻声だったから……来てるなら良いんだ。宜しく言っといて』 「あー、はい。わかりました。伝えます」 …………。
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