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途切れた会話に瞬きを二回。
そう言えば今日はパソコン作業が多かったせいか、閉じた目が途端にじんわりと潤っていくのがよく分かる。
ゆっくりとした速さで何度か目蓋を動かせば、若干目尻に滲んだ涙。
ちょいちょいと、指先につくマスカラの黒を親指で拭ってスカートの裾を掴んだ。
廊下の先に、ぽつんと灯る消火栓の赤いランプ。
…………。
電話の向こうは相変わらず無言で、ただ、空気のぶつかる音が時折響いては、形容しにくい独特の通話ノイズに、耳が変な感覚に襲われる。
刹那――――
頭の中に浮かび上がった何か。
私は思わず電話を耳から離す。
一定のリズムでカウントを繰り返している通話時間の表示。
――あれ、どうかしたの?大丈夫?
手の中から問い掛ける小さな声。
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